今回は「要約」というより「書き留め」であり、
個人的に重要そうとフラグを立てた箇所の「抜粋」。


コピーキャット―模倣者こそがイノベーションを起こす
オーデッド シェンカー
東洋経済新報社
2013-02


コピーキャット ―模倣者こそがイノベーションを起こす
<全体まとめ>
イノベーションを起こすためにイミテーション(模倣)は必要。
が、模倣にも戦略が必要で、うまくビジネスとして模倣する難しさは模倣+αして複合的することで新しいものを生み出す。
「イノベーションや模倣は単純な物ではなく、いろんな類型があり、それらが複雑に組み合わさって製品などは生み出されるのだ」みたいな。
 
<内容アプローチ>
・統計的データはほぼ入っていない、企業の模倣エピソードは含まれる(が著者の思考が入りすぎかも?)
・感覚としては、破壊的イノベーションでなく段階的イノベーションの話で、模倣の多様な話(真似るための分析等)はでるものの、やはり模倣の域を出ない感が拭えない。

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P117 
模倣のパターンは3つ
頻度ベースの模倣
ある集団(一番多いのは同じ産業に属する企業群)の間で最も広く行われている行動を真似ること。
属性ベースの模倣
自分に一番よく似ている企業を模倣すること。
(例えば規模が同じ企業や参入している市場空間が同じである企業の行動に追随すること)
結果ベースの模倣
良い結果を生んでいるように見えるものを模倣すること。


P158
どのように模倣するか
どのように模倣するかという問題は、模倣ターゲットを特定し、特定した模倣対象を分析し、適応させ、模倣を実践していくパターン・プロセス・順序と関係してくる。


P159
対応付けの問題
模倣を成功させるには、模倣のターゲットを正しく変換して、原型に観察される望ましい結果をもたらすコピーを作り出す必要がある。


P123
情報を探索し、標定し、選択する(正確に狙いを定める)
イノベーションを起こすための環境を綿密にチェックし、詳しく調べることは、商業的な成功を収めるための必要条件である。
・体系的に探索する
・標定と選択
 標定は、多種多様な模倣候補の中から、非常に有望なターゲットを見極める能力である。
 →好奇心の強い人材が必要不可欠だ。


P128
対象の脈絡を理解し、自らに適用する(模倣を脈絡に落とし込む)
→そのためには、環境の外部性や特異性といった戦略用語を捨て去らなければいけない。
複雑な世界を端的に単純化するようなことをしてはならない。
環境の複雑さを理解する方法を身につけるとともに、対応付けの問題を解決する分析のスキルを磨くべきである。


P150
ただ模倣しても意味がなく「どこの、誰の、何を、いつ、どのようにして」模倣するか、が戦略である。
タイミングは3つある。
ファストセカンド(迅速な二番手)
パイオニアのすぐ後に続く
ー カム・フロム・ビハインド(後発追撃者)
強力な差別化要因を作って最初の模倣者の後を追う後発的参入
ー パイオニアインポーター(先駆者的移植者)
別の時期に、別の国、別の産業、異なる製品市場などの別の領域に最初に参入する


--------------------------------------<ココまで> ----------------------------------------

書籍自体にも前段として、それとなく書かれてるけど
「コピー」というのは批判されがちで「バッタもん」「パクり」と冷めた声があがるが
完全なオリジナルというのはもう不可能なほど物やアイデアは溢れかえった世の中になってしまっている。
だからこそ今、あえて模倣することの大事さを伝えよう。という。

…とはいえ、書籍内の表現は割と著者の思考に収束させたがっている印象で
「つまり世の中の全ては模倣により生み出されている!あれもこれもパクりなんだよ!」と読み取れて…
そこまでいうともう定義がわからん状態である。(思考停止)(とまぁこれは言い過ぎだけど)